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修了生のご紹介

金融・経済翻訳講座を修了後、在宅翻訳者としてのキャリアをすぐにスタートできる方はそれほど多くなく、現実はなかなか厳しいようです。しかし、あきらめることはありません。講座修了後も翻訳の学習を根気よく続けながら数々のトライアルに挑戦し、晴れて合格した努力家の方がむしろ多いのです。ここでは、当社の厳しいトライアルを経て登録翻訳者となった講座修了生をご紹介します。

上野 恵子さん

プロフィール
外資系メーカーの企業内翻訳者として翻訳を6年、広報を10年担当。
現在、グローバル・トゥー・ジェイの登録翻訳者

   
このたびはインタビューにご協力いただき、ありがとうございます。上野さんは当社の金融・経済翻訳講座を経て、登録翻訳者としてのキャリアをスタートされてから2年近くになりますが、まずは現在のお仕事について教えていただけますか。

「現在はマクロ経済関連のレポートを中心にお仕事をさせていただいています。具体的には、外資系金融機関が発行する欧州経済のウィークリーレポートの英日訳を毎週担当しています。レポートの内容としては、経済指標の動きや中央銀行の動向を分析し、将来の金利の推移を予測するといったものが多いですね」

そうしたレポートの内容をよりよく理解するために何かされていることはありますか。

「日頃から日経新聞の経済面や国際面の記事を読んでいます。おかげでレポートの内容が頭にすんなりと入ってきますし、用語も参考になることが少なくありません」

なるほど。出来上がった翻訳版レポートの完成版はどのように活用されていますか?

「この仕事は1本のレポートを数名で分担し、エディターの方が最終的に用語の統一をして下さる仕組みになっているので、レポートの完成版が届いたら他の翻訳者が担当された部分にも目を通し、次回からの仕事に反映できるよう心がけています」

毎週担当されている欧州経済レポートなど、お仕事がある日の過ごし方を教えていただけますか。

「欧州経済レポートの原稿は週末の午前9時半から10時頃に届くことが多いので、朝食の後片付けや洗濯などの家事をそれまでに済ませ、10時にはパソコンの前でスタンバイしています。私の場合、主に午前9時から午後6時までを仕事時間としています。原稿の入稿時間や、仕事の分量によって多少のずれはありますが、標準的な1日のスケジュールを大まかに言うと、午前10時〜12時半まで仕事、午後12時半〜1時半昼食、午後1時半〜6時まで、途中30分ほどのコーヒー・タイムをはさんで仕事。大抵はここで納品を終え、やれやれとなるのですが、原稿の分量が多い時は夕食を終えてから1〜2時間仕事をすることもあります」

長時間、根を詰めた作業をしていると大変ですね。

「そうですね、翻訳を終えた後は頭が疲れているので、テレビの娯楽番組などを観ながらしばらくぼんやりして脳をリラックスさせます。そのあと入浴で体もほぐして、午後12時には就寝するようにしています」

上野さんにとって金融・経済翻訳のおもしろさはどんなところですか。

「仕事でも趣味でも、何が魅力かと問われると、なかなか明快に答えられないことが多いのですが、しいて言えば、この分野の翻訳のおもしろさは、仕事を通じて知識が深まっていくことでしょうか。例えば、欧州経済のレポートを担当していて、欧州連合が古代ローマ帝国の領土と重なる部分が多いことに気づいてからは、欧州連合の行方に興味を持つようになりました。その他にも、最近、インドについてのレポートを翻訳する機会があったのですが、その中で『連邦予算案』という語が登場し、改めて調べてみると、インドは共和制や連邦制と言われる政体だということが分かり、なるほどと納得しました。自分がまだまだ無知な分、新たな発見が多くて楽しいということでしょう」

仕事を通じて新しいことを常に学べるのはいいですね。

「団塊世代の大量退職が始まったと言われていますが、もともと英語や翻訳に興味があって、趣味三昧の生活では物足りないと感じている人がいたら、この分野の翻訳に挑戦してみられてはどうでしょうか。私も退職後の第二のキャリアとして始めたのですが、何か一つ生活の中心になるものがあると、毎日がより充実すると思いますよ」

翻訳会社とのやり取りで特に気をつけていることはありますか?

「翻訳会社からの連絡はメールが中心になるので、基本的なことですが、そこに書かれている指示や要望を注意深く読み、正確に把握するよう心がけています。また、外出する時は携帯電話へのメール転送機能を利用し、できるだけ迅速に対応するようにしています」

依頼主から連絡があった時の対応の早さも、在宅で仕事をする上で重要ですね。では、翻訳作業に関してはどのようなことに注意されていますか?

「誤字、脱字、訳抜けなど不注意なミスをしないことですね。そのためには訳文を最低2回は見直すようにしています。1回目は原文とつかず離れずで、全体の論理の流れに矛盾がないか、日本語の言い回しが不自然でないかを中心に見直し、2回目には原文と照らし合わせながら、誤字、脱字、訳抜けなどをチェックするようにしています」

たしかに、いい翻訳をするためには注意力も大切ですね。上野さんは常に完成度の高いお仕事をされていますが、さらなる翻訳力向上のためにしていることがあれば教えてください。

「コツと言えるほどではないかもしれませんが、新聞記事を読む時は手元にメモとペンを置き、参考になる表現や意味が十分理解できない言葉を見つけると、どんどん書き留めていきます。そして全部読み終えてから、まとめて調べます。以前はいちいち調べていたのですが、その方法だと全体の内容の理解がおろそかになりがちでした。今はまとめて調べ、順次、用語集に追加したり、反芻して記憶にとどめたりしています。『書き留める』というステップを踏むことで、しっかり記憶に刻まれるような気もします。ただ、この方法の欠点はどんどん書き留めたのはいいけれど、調べものの途中で時間切れになってしまうこともある点ですね。そんな時は『7〜8割消化できればよし』と割り切っています」

ご自身なりに学習方法を工夫されているわけですね。最後になりますが、今後の目標についてお聞きします。以前、「当面はトップクラスといわれる翻訳者になることを目指し、丁寧な仕事をしていきたい」とおっしゃっていましたが、そのための取り組み方について具体的に教えていただけますか。

「『トップクラスの翻訳者になる』というのは遠大な目標で、簡単には達成できないだけに、あせらずじっくり進めていこうと思っています。まず、自分に不足しているものは何かを考え、幾つかの課題を選びました。そして、見つけた課題に優先順位をつけ、期間を定めてそれに重点的に取り組むことにしています。例えば、今年前半は英文法の再確認を課題にすると決めたとしたら、仕事時もそれ以外の時も、英文を読む際はいつも文法構造に注目して読むようにし、あやふやな点があれば文法書で確認。それを続けていると、今まであいまいにしか理解していなかった部分が次第に見えてきます。そして一つの課題が終わると、次の半年間は日本語の表現力を磨くことに重点を置くといった具合です。一つの課題に半年間取り組めば、問題がすべて解決するというわけではありませんが、少なくとも階段を一段上がれるのではないでしょうか」

やるべきことを一つずつクリアしていくという地道な努力が、血となり肉となるのでしょうね。今回は参考になるお話をありがとうございました。


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石川 知幸さん

プロフィール
営業担当としてアパレルメーカー勤務歴10年以上。
グローバル・トゥー・ジェイの登録翻訳者

   
このたびはインタビューにご協力いただき、ありがとうございます。石川さんは当社の金融・経済翻訳講座を経て、登録翻訳者としてのキャリアをスタートされましたが、まずは翻訳を始めたきっかけと、金融・経済分野にしぼった理由を教えていただけますか。

「ある会員制の翻訳情報サイトを通じて色々な分野の翻訳に触れたのが、この世界に入ったそもそものきっかけです。金融・経済分野にしぼったのはそれから間もない頃、『稼げる実務翻訳ガイド』で興味深い記事を目にしたときでした。その記事によれば、実務翻訳者として成功するためには専門分野を持っていたほうが有利だというのです。これはなるほどと思いましたが、私は文学部出身でしかも英語を使わない仕事に10年以上も携わっていたこともあり、残念ながらこれといった得意分野はありませんでした。ただし、株式投資には興味があったので、金融・経済翻訳を通じて得た知識を投資活動にも役立てられるかもしれないと思い、やや不純な動機ではありますが、この分野を専門にしようと決めました」

専門分野をしぼってからは、どのような学習をされていたのですか?

「この分野の基礎固めとしてまず、グローバル・トゥー・ジェイの『金融・経済翻訳総合講座』を受講しました。自分の訳文が訳例に近づくまで反復練習し、講座で紹介された参考図書を入手して読みあさるほか、一般紙以外に日経新聞の購読も始めました。同紙は業界特有の表現を覚えたり、最新の経済動向を知るためにも目を通しておくべきですからね。『金融・経済翻訳総合講座』を修了後、応用講座『最新金融翻訳講座』を1年半受講しました」

「最新金融翻訳講座」を修了してからは?

「講座を修了してからしばらくの間、グローバル・トゥー・ジェイをはじめ数々の翻訳会社のトライアルに挑戦しました。しかしながら合格には一歩及ばず、試行錯誤の日々が続きました。でもこの時、自分の実力不足に気づいてよかったと思っています。当初は不合格という悔しい結果ばかりでしたが、根気よく学習を続けた甲斐もあってようやくトライアルに合格し、現在に至っています」

これまでに受注した仕事について教えてください。

「これまで受注した案件は機関投資家向けの欧州マクロ経済ウィークリーレポートなどです。最新の市場動向を扱った内容なので、日経新聞を参照する場合は特に国際面などに細かく目を通すようにしています」

なるほど。翻訳する際にはどのようなことに注意を払っていますか?

「私は翻訳のスピードが遅い上、不注意なミスも多いため、依頼主から参考資料などをいただいている場合は事前に内容によく目を通すようにしています。また、スタイルや用語などの注意事項は案件ごとに自分なりの作業手順をまとめるなど、余裕を持って作業に取り組めるよう工夫しています。また、納品する前に必ずプリントアウトした訳文を音読し、誤字脱字がないか徹底的にチェックする作業も欠かせないですね」

たしかに、顧客の信頼を得る上で完成度の高い訳文に仕上げることは大切ですからね。

「ええ。あと、クオリティの高い訳文を提供することだけでなく、電話に早く出て明るい声で応対する、依頼主からのメールには迅速に返信するなどといった基本的なビジネスマナーも少なからず重要と思っています」

ビジネスマナーの重要性は講座でも触れていますね。講座で学んだことで仕事に役立っていることがほかにもあったら教えてください。

「講座の受講を始めてからしばらくの間、図書館で教材の演習問題を読んでは訳例をノートに書き写す日々を過ごしましたが、そうした繰り返し作業の成果が少しずつ今の自分の訳文に表れているように感じます。これも、訳例の質が高かったからこそですね。また、自分が知らなかった用語や訳しにくかった文章、参考になる訳文などをまとめたエクセルファイルもかなり役立っています。実際の仕事で訳しづらい箇所が出てきたときに試しに検索してみると引っかかることもめずらしくありません。翻訳のスピードがまだ速くない私にとってはかなり重宝していますね」

石川さんは金融翻訳者として独立されたばかりですが、この仕事で大変と感じること、またやりがいを感じることはどのようなことですか?

「大変なのはやはり、受注が安定しないことでしょうか。実は、初めてのお仕事をいただくまでの間、翻訳をやめるべきか迷った時期もありました。でも、いつか必ず発注してもらえると信じてこつこつと学習を続ければ道はおのずと開けるもので、そうした心配も今では徐々に薄れつつあります。受注が安定しないという不安はありますが、逆にいえば仕事のスケジュールはある程度自分で調整できますし、私にとって時にわずらわしく感じられた職場の人間関係を気にせずに仕事ができるのも在宅で仕事をする上でのメリットだと思います。また、仕事をもらえるかどうかは自分の腕にかかっているというところに最もやりがいを感じますね。これは、私がサラリーマン時代には味わえなかった感覚です」

今後の目標を教えてください。

「引き続き翻訳力を向上させるとともに、翻訳のスピードを上げることが最大の目標です。報酬が出来高制である以上、可能なかぎり早く処理しないと収入にも影響しますから。また、金融・経済分野といっても幅広いので、時間をかけて守備範囲を広げていきたいと思います。翻訳は中学時代から興味のあった英語を最大限に生かせる仕事なので、今後もこれで食べていきたいですね」

翻訳が好きであることがこの仕事を続ける上で何よりも大切ですね。今回は参 考になるお話をありがとうございました。
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